2012年12月9日日曜日

「大雪山麓で健康増進モニターツアー(東川コース)」開催しました

大雪山エリアの森林環境を活用し、心身の健康増進と予防を行うことを目指す森林療法を取り入れた森林浴による健康増進プログラムの開発と大雪山エリアへの来訪者人口の増加を目的に、上川総合振興局の委託事業(委託業者:JTB旭川支店)の一環で実施している1泊2日のモニターツアー。美瑛、層雲峡、東川の3つのコースをJTBさんと協力してアグリテックでプログラム提供をおこない開催しています。

今回は美瑛、層雲峡に引き続き、最後のコースである東川コースを12月8日‐9日に開催しました。参加者は札幌近郊より14名の参加者です。

【1日目】
札幌を9:00に出発した一行は、お昼に東川町に到着しました。道の駅でアグリテックスタッフと待ち合わせし、カフェミディにて地元食材を利用した食事のあと、1日目の体験ポイント「キトウシ森林公園」にて森林ウォークとヨガの体験をしました。

▼キトウシ森林ウォークとヨガ体験
どのモニターツアーでも1日目は恒例の森林ウォークによる自分の健康状態を知る測定からはじめます。体調のセルフチェックと、血圧、ストレス測定をし、散策後に再度測定をおこない改善効果を目で見て体感していただきます。

唾液アミラーゼによるストレス測定中
事前測定のあとは、キトウシ森林公園で森林ウォークです。キトウシ森林公園は、標高は215mで下部広葉樹林帯(400m以下)に属し、北海道でも一般的な里山といわれている山です。イタヤカエデ、ミズナラ、オニグルミ、シナノキ、カシワ、シラカンバ、ナナカマドなどが生育しており、生活に馴染みのある森です。エゾリスなど野生動物にとっての棲み家でもあり繁殖地でもある安心できる里山です。

東川コースのガイドはアグリテックの山ガールツアーでも同じみのネイチャーガイドの鳥羽晃一さんです。森林ウォークといっても、季節は冬。季節柄緑のある森ではありませんが、こういう季節にしか体感できない森の声や木々のたくましさを知ることができると鳥羽さんはいいます。

キトウシの森の話をするガイドの鳥羽さん
森の中で小動物の足跡を発見。森の生き物について解説中。
木々の上を見てみます。
「樹冠」です。木の真下から上を見上げると木々のたくましさを知ることができます。
今度は木に耳を傾けて3分ほど瞑想タイム。森の声を聞いてみます。
森の匂いはフィトンチッドという物質を木々が出しています。とくに針葉樹の中でもトドマツなどはリラックス効果をうむαピネンという物質が多く含まれています。実際に葉をこすって匂いを嗅いでみます。

そうこうしているうちに、時間となり散策は終了。事後測定をおこなって、自分の身体がリラックスできたか数字で確認します。

散策後に再度、血圧・唾液アミラーゼによるストレス診断測定。

結果が出るまで、ヨガ体験です。本来ならば森の中でおこいたかったのですが、季節柄、外でのヨガは難しいので、屋内での体験です。ヨガのインストラクターは層雲峡コースに引き続き、武田ミカさんです。今回は、森林ウォーク後とのことで、整理運動的なメニューでおこなっていただきました。

は~い、それでは~♪森にいるような感じで~♪深く深呼吸しましょう♪

身体がほどよくリラックスされたところで、森林ウォークの診断結果と、森林ウォークによるストレス改善の解説です。講師は本プログラムのメディカル監修をお願いしているNPO法人北海道森林療法研究会(旭川医大住友和弘先生理事)の山村くんと久木田くんに解説していただきました。


結果は14人中、7名がストレス、血圧ともに下がり良好な結果に。本ツアーでは毎回優秀な結果が出て住友先生たちも不思議がっていますが、数字がきちんと証明してくれています。毎回のことですいが、ストレスが逆に上がったという方は、ふだんの適正値に戻ったとか、無意識に散策にストレスを感じてしまっているとかが要因にあったりしますが、気分が爽快であれば、数字は参考程度に考えてほしいとのことです。確かにアンケートを見れば、楽しかったとか、気分が晴れ晴れしたとかという意見が多くみられました。

この日はキトウシ森林公園をあとにし、旭岳温泉ラビスタ大雪山の温泉と食事で癒されていただきました。


【2日目】
森の中を歩くと気分がリフレッシュされるということが分かったので、2日目は、森を楽しむというコンセプトで森林ウォークを参加者それぞれの五感で楽しんでもらうようにしています。

▼旭岳原生林スノーシューハイク
東川コースの2日目は、場所を旭岳に移し、旭岳の原生林をスノーシューを履いて散策します。しかし、この日は昨日の夜から降り続く雪でたいへんな積雪量になっていました(^_^;)。下見でガイドの鳥羽さんがコースをつくっておいたところも跡形なく雪に埋まってましたが、こんな日もなかなか経験できないこともあり、参加者もたいへんワクワクしていました。

まずはスノーシューの装着です。
降ったばかりの雪はしまってなくフワフワなので、さすがにスノーシューを履いていても、腰まで沈んでしましましたが、参加者のみなさんは楽しそうです(^^)
トドマツの皮の匂いを嗅いでみます。
旭岳の原生林についてお話中です
フカフカなパウダースノーにジャンプ!こんなアクティブ体験もできるのが旭岳の雪の魅力です!

となんだかんだで2時間も旭岳の原生林を楽しみました。フワフワなパウダースノーと北海道最高峰の森に抱かれてまたとない体験ができました。このあとホテルでお昼を食べて、今回モニターツアー最後のツアーということで、東川道の駅にて、健康座談会です。


▼旭川医大住友先生と語る「森と健康座談会」
会場を東川道の駅「道草館」に移し、今回の自然体験のメディカル監修をしていただいているNPO法人北海道森林療法研究会の代表でもある旭川医科大学の住友先生にも加わっていただき、参加者との森と健康における座談会を開きました。

座談会の前に、ひがしかわ観光協会の鬼塚局長より、東川の観光PRをしていただきました。

ひがしかわ観光協会の鬼塚局長より観光PR

さて、座談会では、地元のハーブを使ったハーブティと、森の匂いのアロマをたいたりして、森にいるような空間をつくり開催しました。

旭川医大の住友先生。森林療法では多くのデータを積み重ねており、北海道では第一人者といっても過言ではありません。

まずは先生から森林ウォーキングの効果についてあらためて説明。
参加者のみなさんからたくさんの質問をいただきました
盛んな意見交換となりました。
森林ウォークと都市部での散策の違いについての質問や、本モニターツアーがどうビジネスシーンでプログラムとして受け入れられるかなど、様々な意見や質問があり、あっという間に予定時刻を過ぎてしましました。座談会のあとは15:30には東川を出発しみなさん札幌へ向かいました。


▼モニターツアー終了後はプログラム商品化していきます
美瑛、層雲峡、東川と3つのコースで、森林浴による健康増進モニターツアーを開催してきましたが、アグリテックとしても大雪山の豊かな自然を活用し、地元ガイドさんと一緒に、みなさんのアンケートの意見を参考にさせていただきながら、このような健康増進のためのプログラムを本格的につくっていければと考えています。その際は、ぜひご参加お待ちしております!
 
 
【モニターツアーについて】
本モニターツアーは、上川総合振興局の「かみかわ自然体感・健康増進推進委託事業」の一環で、JTB旭川支店が受託業者となり進めている取り組みです。大雪山エリアの恵まれた自然とそこで生活するみなさんとふれあいながら、大自然の持つパワーを体感し、心と身体をリフレッシュさせる観光ツアー造成を目的に実施しているモニターツアーです。
 ①森林療法に基づくフォレストウォークによる血圧・ストレス診断
 ②ヨガやアロマキャンドルつくりなどの癒し体験
 ③温泉、地元食材を利用した食事
 ④地元の観光資源を活用したオプションプログラム
の、4つの基本プログラムを組み合わせ、札幌発着の1泊2日のツアーで、ツアー中の体験プログラムはJTBさんと協力し、アグリテックで企画させていただいてます。美瑛町、上川町、東川町の3町村で3つのモニターツアーを実施します。 
■11/17‐18実施「美瑛町白金の森コース」のレポートはこちら
■12/01-02実施「上川町層雲峡の森コース」のレポートはこちら
■12/08-09実施「東川町キトウシの森・旭岳原生林コース」

▼プログラム内容のお問合せは
有限会社アグリテック
TEL:0166‐82‐0800 FAX:0166‐82‐3040
メール:agtec@agtec.co.jp
 
▼本事業のお問合せは
『大雪山麓の森で健康増進♪』モニターツアー事務局
株式会社JTB北海道 旭川支店
TEL:0166-24-2176(平日9:30~17:30)
メール:kitahokkaido@hkd.jtb.jp 担当:瀬川・鈴川