2012年11月30日金曜日

「食育シンポジム」開催のお知らせ

「食育シンポジム開催」のお知らせです

農村の豊かな自然に触れることにより、子どもたちの感性・情操がやさしく豊かに育てられます。今回は修学旅行における農村体験を通じ食育との関わりについて考えていきます。

基調講演では「思いやりの心を育む農山漁村生活体験」として、十勝の近江正隆(㈱ノースプロダクション代表)さんを迎えます。また、第2部のパネルディンスカッションでは、力不足ながら、アグリテックの中田がコーディネーターをつとめ、「修学旅行の農業体験を通じた食育の推進」として議論できればと考えています。

まだ定員に余裕がありますので、農業体験や食育に関心のある方は、ぜひ参加してみませんか?


期日 平成24年12月11日(火)
時間 13:00~16:30
会場 士別市民文化センター研修室(士別市東6条4丁目1番地)
主催 北海道上川総合振興局・かみかわ食育推進ネットワーク
内容
<第一部:基調講演>
テーマ「思いやりの心を育む農山漁村生活体験」 
講師 近江正隆 氏(㈱ノースプロダクション代表)
<第二部:パネルディスカッション>
テーマ「修学旅行の農業体験を通じた食育の推進」
パネラー
・近江正隆 氏(㈱ノースプロダクション代表)
・藤澤康次 氏(中富良野町立中富良野中学校校長)
・小栗 卓 氏(美深町観光協会事務局長)
・五十嵐広司 氏(士別市食育推進市民会議会長)
コーディネーター
・中田浩康(有限会社アグリテック代表)


PDFデータはこちらから(871KB)


【お問合せ・申し込み先】
上川総合振興局産業振興部農務課(担当:奈良)
住所:旭川市永山6条19丁目
TEL.0166-46-4983(直通) FAX.0166-46-5212


 

2012年11月27日火曜日

事務所の社窓から~ Vol.002

いよいよ冬本番。雪もしんしんと降り積もってきましたね。事務所の裏手は林が広がっており、林の下を覆っている笹もこれからの季節見えなくなるぐらい積もってきます。


窓から外を望むと、ちょっとした絵画っぽく見えました。たま~にリスさんもチョロチョロしています。反対側の窓には旭岳が見えるので、のんびりしすぎてしまうこともあります。。。

さて、仕事、仕事。。。

2012年11月23日金曜日

韓国長水郡のみなさんの視察

本日は、東川町より依頼があり、韓国長水郡(日本語のサイトあり)より日本の自治体の首長にあたるジャン ジェヨン郡守さんをはじめ、ソ ビョンソン農業技術センター長ら農業関係の役所の方々10名ほどがアグリテックに視察しに来ました。なんでも韓国の教育旅行における農業体験の受入の仕組みを検討しているとかで、アグリテックでおこなっている農業体験の受入について学びたいとのことでアグリテックの中田が対応させていただきました。


韓国でも都市と農村との交流活動、いわゆる「グリーンツーリズム」のひとつとして、都市部の子どもたちが、農村に来て農業体験をおこなう教育活動をおこなっているといいます。しかし、教育過程の一環のため、受け入れる側はボランティアでおこなっており、都市部から人の動きによる経済効果も期待していきたいとのことで、受け入れにあたっての課金体制や農業体験料金、受け入れの調整などどういう形でおこなっているかなど質問がありました。

通訳を介してなので限られた時間での質問にしか答えられませんでしたが、お隣の国でも、農家の高齢化、担い手不足などは深刻で、農家の所得向上のための政策などを検討しており、教育旅行での農業体験も所得向上のひとつにならないかとと熱心に耳を傾けてくださいました。

「ビジネスライクで支援があれば韓国までプロデュースしに行きますよ」とジャン郡守に言うと苦笑いしてましたが、日本と同じように農業・農村問題は万国共通。グリーンツーリズムの可能性が少しでも解決策のひとつになってくれればと思いながら、日々アグリテックも奮闘してます。
 

2012年11月22日木曜日

美深町より視察がありました

本日は、道北の美深町よりアグリテックに視察がありました。美深町は旭川市より北に約90km。旭川市と日本最北端のまち稚内市のちょうど中間に位置しています。チョウザメの水族館でも有名でしょうか。町を南北に流れる天塩川では、明治初期北海道への探検家である松浦武四郎が天塩日誌にチョウザメの群れを見たと記しているように、かつて北海道の河川にはチョウザメが遡上していたといいます。

さて、美深町では観光に力を入れており、とりわけ教育旅行誘致を目的に今年「北ほっかいどう教育旅行推進協議会」を発足させ、教育旅行定着促進に向け受け入れ体制を整えています。その一環で、とくに農業体験の受け入れについての勉強させてほしいとの依頼で対応させていただきました。

まずはじめに失礼ながら美深町単独での教育旅行誘致は無理と否定的なお話しさせていただきました。教育旅行の平均的人数は200~300人。まず①宿泊施設をどうするかという点が難しいところで、美深にはそれだけのホテル等がまずない。②教育旅行の体験観光化してきましたが、どこでもできる体験や観光では集客は難しい。③そして教育旅行では地理的な立地も誘致条件のひとつになる。美深で3泊4日滞在するだけの目的達成型のコンテンツがあればいいが、修学旅行は楽しみ思い出つくりもかねるため、北海道観光はあちこち移動するのが常。地の利を活かすためには、ここでしかできないものの提供が必要。

・・・なんて、偉そうなこと言ってしまいましたが、現実です。

そこで提案したのが、農家民泊。3~4人単位の分宿型で、自然の農家の営みの生活体験をおこないながら、滞在時間をとってもらいほかの観光施設と絡めるというのがイチバンの近道ではと提案。実際、アグリテックにも農家民泊の問合せが多く、キャパがまだ小さい分、断っているのが現状。アグリテックも旭川以北の活性化に力を入れているので、ぜひ検討していただき、一緒に「きた北海道」を元気にしていきましょう!


◎美深町公式HPはこちら
◎美深町観光協会HPはこちら



 

2012年11月20日火曜日

「大雪山麓で健康増進モニターツアー(美瑛・白金の森コース)」開催しました

大雪山エリアの森林環境を活用し、心身の健康増進と予防を行うことを目指す森林療法を取り入れた森林浴による健康増進プログラムの開発と大雪山エリアへの来訪者人口の増加を目的に、上川総合振興局の委託事業(委託業者:JTB旭川支店)の一環で実施している1泊2日のモニターツアー。美瑛、層雲峡、東川の3つのコースをJTBさんと協力してアグリテックでプログラム提供をおこない開催しています。

3本のツアーの第1回目は、美瑛町・白金の森でのモニターツアーです。先日11月17日‐18日に開催しました。参加者は札幌近郊より10名の参加者です。


【1日目】
札幌を9:00に出発した一行は、お昼過ぎに今晩の宿泊先でもある美瑛白金の森「ホテルパークヒルズ」に到着。まずは、ホテルパークヒルズさんより、地元美瑛町産にこだわった、ランチをいただきました。たいへんボリューム満点でした。


美瑛産小麦「春よ恋」で作った自家製パスタと美瑛牛ハンバーグミートソース。このツアーだけのスペシャルメニューです。

▼白金の森の森林ウォーク
どのモニターツアーでも1日目は森林ウォークによる自分の健康状態を知る測定からはじめます。体調のセルフチェックと、血圧、ストレス測定をし、散策後に再度測定をおこない改善効果を目で見て体感していただきます。

このメディカルチェックは、本ツアーを開催するにあたって、北海道では森林療法研究の第一人者といっても過言ではない、NPO北海道森林療法研究会理事長で旭川医大の住友和弘先生に事前に打ち合わせさせていただき、アグリテックで提供する森林浴健康ツアーとしてメディカル監修していただきました。今回は、所用のため住友先生自身は来れませんでしたが、同NPOの副理事でもある大学のゼミの山村くんと同ゼミの久木田くんが診断と解説に来てくれて対応してくれました。

住友先生監修で作成させていただいた「森林ウォーキングのしおり」。このしおりで体調の変化など確認できるようになっています。

まずは散策前に、血圧とストレスの測定をおこないます。

まずは血圧測定です。
次に、唾液アミラーゼによるストレス測定。チップを舌の下部に入れて唾液に含まれるアミラーゼの量によってストレスの測定ができるというもの。
チップを測定器に入れると数字が出て来ます。0~30はなし。31~45はややあり。46~60はストレスあり。61以上はストレスがだいぶ溜まってますよ、という目安となります。

測定が終わったら、いよいよ白金の森を散策します。この日は、ちょうど季節の変わり目で、あいにくの雨でしたが、徐々に雪に変わってきて参加者のほとんどが今シーズン初の雪となり、紅葉や緑のまだ残る森と白い雪のコントラストを楽しめました。

この白金の森のコースを案内してくれるのは、アグリテックの山ガールツアーでもお馴染みのネイチャーガイドの中川伸也さんです。

ガイドの中川伸也さん

散策コースは、ホテルより少し登ったところにある「せせらぎコース」。遊歩道として整備されており、まだ青い川になる前の美瑛川の上流部分の川沿いを散策します。この森は十勝岳の噴火のあとに形成された森と溶岩流から逃れた巨木の森が混植している変化に富んだ森です。

ガイドの中川さんより森の説明。
トドマツには癒し効果を持つαピネンという物質が多く含まれており、森の香りを形成するひとつになっています。冬は森の香りが薄れますが、トドマツの葉に触れ匂いを嗅ぐことでリラックス効果を高めるともいわれています。
コケのお話があったり・・・。
美瑛川のせせらぎの音を聞いてみたり・・・。
巨木を見上げてみたり・・・。
マツヤニを触ってみたり・・・。
森の中で五感を使っていろいろ体感しました。

散策後は、再度血圧とストレス測定を行い、体調の変化を目で見て体感します。散策後の結果はゼミの山村くんから森林ウォークの効果について解説と説明をしていただきました。

それぞれ唾液アミラーゼでストレスチェックと血圧の測定を再度行いました。
五感で感じたことなど忘れないうちに記入していきます。
結果は10人中7人がストレス、血圧ともに下がり優秀な結果に。

10人中7人も改善されるのはたいへん優秀な結果だそうです。逆に血圧やストレスが上がってしまったという人は、もとの状態に戻ったとか、森の中に入り非日常的な体験をしたことで興奮したりなど要因はいろいろあるそうですが、気分的にはみなさんリフレッシュしたという感想なので、数字がすべてを表すことではないとのことです。


▼アロマキャンドル作り体験
森林ウォークのあとは癒し体験として、森の香りエキス(アロマオイル)を使ったアロマキャンドルづくり体験をおこないました。下川町のトドマツのオイルのほか、市販されているローズウッド、ヒバ、ユーカリなど木の成分オイルを使って作りました。作ったキャンドルは本日の宿泊部屋で使っていただきリラックスしていただきました。

みなさん熱心に作成中です。
カラフルなキャンドルができました。

▼星空ウォッチング(屋内編)
美瑛町は「丘の町」だけではなく、星空も有名な地域です。インターネット検索サイト「goo」で「満天の星空を楽しむならココスポットランキング」で美瑛町の望岳台が堂々の1位に。しかし、この日はあいにくの天候で星空観察は中止。その代替で、夕食とともに屋内で星空観察と、大雪山エリアの四季のスライドショーをおこないました。

夕食はパークヒルズさんよりこのツアーだけのスペシャルメニューで美瑛産の食材をふんだんに使った夕食です。美瑛産蝦夷鹿肉、契約農家産のじゃがいもを使ったイモ餅、美瑛ポークを使ったポトフ、美瑛牛乳のババロアなど盛りだくさん。支配人の松井さんよりご挨拶もいただきました。
ガイド予定だった同じくアグリテックのトレッキングツアーでお馴染みの大雪山倶楽部の愛澤さんより、屋内で星空ウォッチングがスタート。
どうやって星空ウオッチングするかというと、最近は便利なものがあり、タブレット端末を使って星空が見れるアプリがあるそうで、この場で空に向かってかざすと今の星の様子が見れるそうです。

 愛澤さんの軽快なトークと、大雪山の四季折々のお話に参加者のみなさんも満足。この日は白金の白濁の温泉にゆっくり浸かってさらに癒されました。


【2日目】
森の中を歩くと気分がリフレッシュされるということが分かったので、2日目は、森を楽しむというコンセプトで森林ウォークを参加者それぞれの五感で楽しんでもらうようにしています。

▼「不動の滝・白樺遊歩道~青い池」フォレストウォーク
2日目のコースは、昨日のせせらぎコースの原生林の森とは違って、十勝岳の噴火で森が消失し、再生をしている若い樹林帯コースです。白樺の木は森をつくるパイオニア的な存在で、白樺が多いほど若い森ということになります。昨日の森との違いを堪能しました。

まずはじめにホテルのすぐ裏にある白髭の滝。この日は季節の変わり目で雪景色の白とブルーの川のコンストラストがたいへんキレイでした。
次に不動の滝も見に行きました。
いよいよ白樺遊歩道です。昨日の巨木の森とは違って低木が多い森で、光が地表に差す分、笹などがたいへん茂っています。
途中エゾリスの足跡を発見したり・・・。
白樺が森のパイオニアという話があったり・・・。
参加者もトドマツを見つけると進んで触って匂いを嗅いでみたりして青い池を目指します。
さてつに「青い池」に到着しましたが、青くない・・・。天気や雨量などにも影響されるため残念でしたが、ぜひ次回も来てくださいね!
昨日の上流部とは違ってブルーリバーとなった美瑛川。

「青い池」はこの日は残念ながら「青くなかった池」でしたが、森の違いを感じながら五感をフルに使って初冬の美瑛の森を堪能しました。

▼ランチは「美瑛カレーうどん」
散策後は、美瑛ご当地メニューでランチです。有名になりつつある美瑛産の食材をふんだんに使ったご当地メニューの「美瑛カレーうどん」。今回は美瑛駅のすぐ近くにある「カフェこえる」さんにて、美瑛カレーうどん第2弾でこの7月に新たにメニューに加わった「焼きカレーうどん」を堪能しました。
焼きカレーうどん

▼オプション観光の「豆腐づくり体験」で癒されて・・・
 ツアー最後のメニューは、「癒し体験その2」で、美瑛産大豆を使った「豆腐づくり体験」です。健康食品の代名詞のひとつにもなっている豆腐を自分でつくって、より健康になることを目的にプログラムに入れています。場所を美瑛の道の駅に併設されている体験施設「ラヴニール」に移して行いました。
ここで体験の前に、美瑛町観光協会の岩佐さんが駆け付けていただき、美瑛町の観光PRと、美瑛町の四季の映像が収録されている観光DVDのサプライズプレゼントがありました。岩佐さんありがとうございました。

美瑛町観光協会岩佐さんより観光PRとプレゼント。
豆腐づくり体験は地元のインストラクターのお母さん方に指導していただきました。
おっかなびっくりで型ににがりをいれて固まった豆乳を入れていきます。もちろんここまでの行程も参加者みなさんで作業してますよ。
自分で作った豆腐はとても美味しい!
 できました!!

豆腐づくり体験では、固めている最中に型から出てきた水分が肌にいいという話で盛り上がり、みなさん手にとって肌につけてスベスベ感を楽しんでました。

といったところで、札幌に帰る時間となってしまい、ちょっと時間的にタイトに進んだツアーになってしまいましたが、リフレッシュされましたか?みなさんのアンケートを参考にさせていただき、次回のツアーおよび、今後の森林プログラムの商品化に向け検討していきますのでよろしくお願いします。

次回は12月1日‐2日に上川町層雲峡で行います。


【モニターツアーについて】
本モニターツアーは、上川総合振興局の「かみかわ自然体感・健康増進推進委託事業」の一環で、JTB旭川支店が受託業者となり進めている取り組みです。大雪山エリアの恵まれた自然とそこで生活するみなさんとふれあいながら、大自然の持つパワーを体感し、心と身体をリフレッシュさせる観光ツアー造成を目的に実施しているモニターツアーです。
 ①森林療法に基づくフォレストウォークによる血圧・ストレス診断
 ②ヨガやアロマキャンドルつくりなどの癒し体験
 ③温泉、地元食材を利用した食事
 ④地元の観光資源を活用したオプションプログラム
の、4つの基本プログラムを組み合わせ、札幌発着の1泊2日のツアーで、ツアー中の体験プログラムはJTBさんと協力し、アグリテックで企画させていただいてます。美瑛町、上川町、東川町の3町村で3つのモニターツアーを実施します。
■11/17‐18実施「美瑛町白金の森コース」
■12/01-02実施予定「上川町層雲峡の森コース」
■12/08-09実施予定「東川町キトウシの森・旭岳原生林コース」

▼プログラム内容のお問合せは
有限会社アグリテック
TEL:0166‐82‐0800 FAX:0166‐82‐3040
メール:agtec@agtec.co.jp

▼本事業のお問合せは
『大雪山麓の森で健康増進♪』モニターツアー事務局
株式会社JTB北海道 旭川支店
TEL:0166-24-2176(平日9:30~17:30)
メール:kitahokkaido@hkd.jtb.jp 担当:瀬川・鈴川


 

2012年11月16日金曜日

連載中「北海道経済12月号」発売のお知らせ

旭川を中心とする道北地域の政治・経済・文化の話題を毎月発行している月刊情報誌「北海道経済」。このたび、アグリテックの中田が1ページもらって4月号から連載をしています。

「大人のための田舎学のススメ」として「今、農村空間がおもしろい」というタイトルで、主に農村で起きている今を、グリーンツーリズムや体験観光の角度から連載しています。

そんな第9回目のタイトルは「『教育ファーム』の取り組みで『食農教育』を事業化する」

みなさん「教育ファーム」というコトバを聞いたことがあるだろうか?1990年代初頭にフランスで生まれたコトバだ。青少年や一般市民に対し農業の関心を高めてもらうことを目的に、栽培方法や衛生、食品の安全、農業・農村の様々な役割などを伝える媒体的な位置づけとして、農業や農家と社会をつなげ、将来的な農業従事者、農村の発展を図っていこうと取り組まれている活動だ。
日本にも「教育ファーム」はある。提唱者である農水省の定義には「生産者(農林漁業者)の指導を受けながら、作物を育てるところから食べるところまで一貫したほんもの体験の機会を提供する取り組み」とあり、「その中で体験者が自然の恩恵に感謝し食に関する活動への理解を深めることを目的としたもの」と続く。
 
・・・続きは、最寄りの書店、コンビニでご購入して読んでくださいね。

北海道経済12月号 好評発売中 
1冊 700円

北海道経済2012年12月号

















 

2012年11月15日木曜日

「津別町森林セラピー基地」視察レポート

11月13日‐14日にかけて、道東の弟子屈町と津別町に視察に行ってきました。この視察の目的は、現在、上川総合振興局の委託事業で「かみかわ自然体感・健康増進推進委託事業」をJTB旭川支店さんが受託し、大雪山エリアの森林環境を活用した森林療法的要素を取り入れた自然体感プログラムを造成し交流人口を増やす取り組みとしてモニターツアーを開催するのですが、その先進地視察の一環で、JTBさんよりお誘いを受け行ってきました。アグリテックからは中田が参加しました。

このほか、今週末から始まるモニターツアーの予定地の、美瑛町、上川町、東川町の各観光協会スタッフやネイチャーガイドさん、観光関係者ら総勢15名で行ってきました。

【1日目】
▼弟子屈町にてエコツーリズム研修
まず、初日は弟子屈町にてエコツーリズムのお勉強です。弟子屈町の川湯ふるさと館にて、弟子屈町役場観光商工課の田口さんと、第3種の旅行業をおこなっている㈱ツーリズムてしかがの白石社長よりお話をうかがいました。

弟子屈町役場の田口さん(左)と、㈱ツーリズムてしかがの白石社長(右)

弟子屈町も、阿寒国立公園を擁し、摩周湖や屈斜路湖をはじめとする自然と温泉があり、大雪山エリアと観光資源要素は似ています。今年、全国エコツーリズム大会が10月に行われたばかりで弟子屈町はその開催町となりました。今でこそエコツーリズムとは言っていますが、エコツーリズムをやろうと思ってここまできたのではないと田口さんはいいます。町はこのままいくと、内需でまかなっていくには難しい。かといって温泉客が増えるとも限らない。これら弟子屈の自然と観光資源を活かした総合産業化を図って自立していける町を目指そうと「てしかがえこまち協議会」を設立し、地域力を活かした町づくりをしていこうとはじまったのがきっかけだそうです。その中で、観光に特化した部分がエコツーリズムといいます。


 ㈱ツーリズムてしかがはアグリテックと同じように、着地型観光をおこなっています。アグリテックと違うのは第三種の旅行免許を持っており、旅行商品が造成できる旅行会社という点ですが、地域の観光企画という点ではコーディネーター組織として一緒です。

今では弟子屈観光の看板メニューともなっている「摩周湖星空ウォッチング」も温泉とタイアップして大変好評だそう。ただ天候に左右されるため、せっかく来たお客さんに見れないというのもしのびなく、「暗闇探検隊」として、星空が見えないときの代替プログラムもつくり、お客さんに満足してもらっている。今、たいへんなのは、地元のカヌーガイドとの連携という。地元の旅行会社といってもガイドさんたちにしてみればライバルが増えたとしか思ってもらえなかったようだが、中間コーディネーターとしての立ち位置がようやく理解されてきて、アウトドアガイドとカヌーもののガイドさんと連携してオール弟子屈の体制ができつつあるという。売上は上がっているものの手数料が利益のほとんどなので、全体の2~3割程度しか利益は出ていないといいます。

アグリテックもコーディネート組織ですが、このような中間コーディネート組織の存在の必要性は結構いわれますが、実際に民間ベースでおこなっていくのは経営的に難しいのでみなさんやりたがらない。うちも経営的に厳しいところがあり、、、どこも一緒ですね。

このあとは盛んな質疑応答がおこなわれて、弟子屈をあとにし、津別町ランプの宿へ。


▼「らんぷの宿」上野支配人から「森林セラピー基地」のお話
2011年4月に「森林セラピー基地」として43番目の認定を受けた津別町。道の地域再生プロジェクトの一環として津別にある森林資源、地域資源を活かして地域活性化を図ろうと、2009年に津別町が町の事業としてスタートしたといいます。現在森林セラピストガイドとして登録しているのは50人。町あげて森林セラピーの町として取り組んでいます。そして今年5月に森林セラピープログラムの運営組織として「NPO法人森のこだま」を立ち上げ、セラピーの受け入れをおこなっているといいますが。。。上野さんの人柄もありますが、きっぱりモノを言う方で気持ちよくお話をうかがいました。

「らんぷの宿・森つべつ」支配人でもあり「NPO森のこだま」代表の上野さん

町の事業は2011年度に終了し、「森林セラピー基地」としての土台はできたが、それをどう活かして町づくりにつなげていくか、誰がやるのかが詰まってないところがあった。そこでその運営組織としてNPOを設立し、NPOがゲストとネイチャーガイド、津別町をつなぐパイプ役になることで、うまく森林セラピーの特徴を活かしたまちづくりをしていこうというのが今の現状。森林セラピー基地として、そしてセラピーガイドを50人ほど登録して、、、そこまでは町の助成金をつぎこんでプロジェクトとしてやってこれたが、事業終了後どうするか、どの自治体でもこのような類の事業にはつきものの課題かもしれないですね。集客のためのマーケッティングや地域の利益還元というところまではぜんぜんこれから。これをどうまわしていくかが今の課題といいます。

分かりやすく説明していただきました。

さて、明日は実際に森林セラピー基地でおこなっている森林セラピーを体験します。ところで、「森林セラピー」は、商標登録って知ってました?商用で「森林セラピー」って使えないんです(><)。


【2日目】
▼森林セラピー体験
翌日は、森林セラピー体験です。温泉宿のまわりの森はノンノの森として整備されている原生林です。クリン草などがたくさん見られます。その散策路を、セラピーガイドのみなさんといっしょに散策します。今回は4人のガイドさんが対応してくれます。1グループ3~4人の班に分かれて1グループずつにガイドさんがついていただきました。わたしの班は女性の千葉さんという方です。

まずはじめに、目で見てリラックス効果を測る、血圧とストレス診断です。ストレスは唾液アミラーゼによる測定値でストレスの度合いが分かります。散策後また測定し、数字の変化を見ます。

まずは血圧と唾液アミラーゼによるストレスチェックです。
散策コースは川沿いのコースです。あいにくの雨でしたがカッパにあたる音や川のせせらぎなど森の音として感じることができました。
巨木の説明中。ガイドの千葉さんは専業主婦だそうで、津別の森を知ってもらいたいという思いでガイド試験を受けたそう。千葉さんのような主婦の方から、お仕事を持っていらっしゃる方、定年を過ぎた方など、いろんな町民の方がガイド資格をもっているといいます。
津別の森にはこのような「倒木更新」がたくさん見られ、森の再生の様子がよく分かります。
約60分ほどの散策後、再度血圧とストレスの測定です。

わたしは血圧は下がりましたが、ストレス値が23から32に上がってしまいました。数字とは裏腹に気分はたいへんリフレッシュされ爽快感がありますので、森の中で気分が覚醒され、正常値の値にもだった?のでしょう。。。。

今回参加した7割方は血圧、ストレスも下がり良好の結果でした。数値はあくまで目安なので、散策後の爽快感やリフレッシュ感が大切といいます。セラピー基地なので、医師の指導のもと本格的な療法として滞在して森の散策や温泉などでの治癒などもおこなっているといいます。

らんぷの宿森つべつは、津別町なのでオホーツク管内ではありますが、津別町のイチバン奥にあり津別峠(冬期閉鎖)を越えれば屈斜路湖までほんの20~30分とか。お隣の弟子屈町が釧路管内で弟子屈町内の摩周湖や川湯などの観光地とは目と鼻の先。某観光雑誌やネット情報など、エリア別に掲載されてしまい、そんな観光地のすぐ近くなのにエリアで分割されてしまう情報誌にはちょっと疑問があるとかないとか。。。

そんな、らんぷの宿は、静かで趣のある場所で、また行ってみたくなるところでした。

▼山の水族館
最後に北見市留辺蘂おんね湯温泉にある山の水族館に寄り帰旭しました。

最大2mにもなる日本最大の淡水魚イトウの群れ。圧巻でした。。。
なぜか愛くるしくて写真におさめたくなった、その容姿のとおりの「ブタバナガメ」。

 さて、今週末からモニターツアーが始まります。今回の視察も参考にして受け入れの準備をします。今回のモニターツアーは、11月17日‐18日の美瑛コースを皮切りに、層雲峡、東川町の3つのコースで実施します。

◎詳しくはこちら↓

モニターツアー募集内容(※募集は終了しています)

【ツアーのお問合せ】
『大雪山麓の森で健康増進♪』モニターツアー事務局
株式会社JTB北海道 旭川支店
TEL:0166-24-2176(平日9:30~17:30)
メール:kitahokkaido@hkd.jtb.jp 担当:瀬川・鈴川